耳を削る猫-愛猫テリーの思い出3-
母猫のまめちゃんの失踪で、ひとりぼっちのなってしまったテリーですが、その後、殆ど外に出ることもなく、箱入り娘のように、家の中で大事に、大事に飼われることになります。
(穏やかに暮らすテリーです)
そんなわけですから、テリーにはアクシデントなど何も起こりようがなく、何事もない平穏な日々が過ぎてゆくのでした。
しかし、3年ほどたったころ、家の外のネコ社会で波乱が起きました。一匹の異様な風貌の猫がどこからともなくやってきたのです。
その猫は、メス猫でしたが、片方の耳が半分くらいで切れていて血を流し、顔も不気味な雰囲気を漂わせていました。
しかも、あつかましいことに、テリーとは異なる、物置などで生活をしている猫たちのご飯を横取りしようとするのです。
他の猫たちがかわいそうなので、仕方なく一緒にご飯をやることにしましたが、正直なところ、とても気味が悪いので、早くどこかへ行ってくれたらいいのに思っていました。
しかし、一向にどこかへ行く気配もなく、ここなら毎日ご飯にありつけると思ったのか、そのまま居ついてしまったのです。
とにかく、耳がちぎれて血だらけなので、最初は気味が悪いのが先にたって気がつかなかったのですが、少し冷静に観察していると、耳が欠けている理由がわかってきました。
どうも皮膚病か何かで痒いらしく、自分の爪で耳を削るのです。そして、そのために耳がだんだん短くなってきたようなのです。
しかし、人間の視点から見て、気味が悪いと思っていたのが、ある日、突然、子猫を二匹産んだのにはびっくりしました。ネコ同士では、別に何とも思っていなかったということでしょうか?
(ジャックとその子供たちです)
(ジャックの子供たちです)
(食べてます)
もっとも、子猫のうち、一匹は何か悪いものを食べたのか、しばらくして死んでしまい、そのうち、もう一匹もいなくなってしまいました。
そして、あとに残った母猫も、その後、1年足らずで死んでしまったのです。そのころには、耳を削って、削って、耳が根元からないような状態でしたから、細菌に犯されたのが原因なのかもしれません。
かわいそうなので、先に死んだ子猫と同じように、裏庭の片隅に埋めてやりました。
しかし、今までたくさんの猫を見てきましたし、世話をしてきましたが、こういう猫に出会ったのは初めてです。
なお、この猫の名誉のために言っておきますが、前回紹介した邪気を放つ黒猫とは異なり、見かけは不気味でしたが、普通の猫、それもとってもかわいそうな猫だったということです。
一方、テリーは、その間も、あいかわらず、食べては寝、寝ては食べの優雅な生活を送るのでした。
(毎日、優雅だにゃ)
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