クロの死
今朝、「クロ」が死んでいるのを発見しました。
ここ数日、姿を見せず、心配していたのですが、扉の下をくぐって敷地内に入ったところで死んでいました。どこか、離れたところにいて、食事を求めてやってきて、力尽きたのかもしれません。
遠くで人知れず死んでいたら、そのまま朽ち果てていたに違いなく、死骸を発見できたことがせめてもの幸いです。
思えば、クロがうちに来たのは、今から3年ほど前だと思います。近くのごみ捨て場に食物をあさりにきていた野良ネコだったのですが、世話をしていた他のネコのご飯を横取りするので困り、一緒にご飯をやることにしたのでした。
その後、他の先輩のネコを押しのけて居付くようになりました。しかし、よほど虐待されて育ったのか、決してなつくことはありませんせんでした。
エサをやるときなど、何度、引っかかれたかもしれません。それほど人間というものを警戒していたのでしょう。
しかし、ここ一年ほどは、引っ掻くこともなくなり、少しはなついたように思いますが、それでもご飯を食べている時以外は、触れることはできませんでした。
さて、ここ1カ月ほど前だったでしょうか、皮膚病にかかり、少し弱ってきたように思ったのですが、近所の強いネコか、キツネなどの他の動物に追われたのか、今までずっと居付いていたのに、いなくなることが多くなりました。
朝晩のご飯の時だけ来るようになったのです。雄ネコにもかかわらず、虚弱で徘徊しないネコでしたので、どこかに避難していたのでしょう。
でも、ご飯をやっても、食欲がなさそうでした。以前なら、他のネコのご飯を奪ってでも食べるネコだったのです。
そして、数日前にからまったく姿を見せなくなりました。ここ2、3日、寒い日が続きましたから、ひょっとしたらと思ったのですが、やっぱりという結果になりました。
年齢は不明ですが、歯がないところからすると、かなりの年だったのではないかと思います。
どういう育ち方をしたのか、人になつくことができない可哀そうなネコでしたが、ここに来てからは、少しは安らぎの日を過ごせたのではないかと思っています。
ともかく、庭の片隅に埋めてやりましたが、死後も、安らげる世界へ行き、幸せに暮らせることを切に願っています。