泣き笑い ~匿名さんからの投稿です~
我々は、一般的に、笑うことと泣くことには明確な違いがあるように考えています。
しかし、少し考えてみますと、悲しいときには泣き、嬉しいときには笑うという単純な話ではないことがわかります。
たとえば、スポーツ選手などが競技で優勝したとき、ある人は泣いており、ある人は喜んで笑っているのを見ると、反対の感情表現ではなく、隣り合わせのような微妙な違いのようにも思えます。
さらに、泣き笑い、また、嬉し泣きというものがありますが、こうなると、泣くことと笑うことの根本的な違いはどこにあるのだろうかと思ってしまいます。
我々日本人の場合、そのような微妙な場面で、笑うことよりも泣くことのほうに共感的といいますか、より好ましい感情の表現だという雰囲気があるように思われますが、その根拠は一体何なのでしょうか。
突きつめると、泣くことと笑うことの選択の基準は、個性や文化的な背景によって規定されるが、感情の表出としては全く等価であるということになるのでしょうか。
とにかく、顔で笑って心で泣いてとか、表面の心は泣いているのに、肉体と重なっている幽体という霊的身体の心は笑っているとか、人というのは本当に複雑で不可解な生命体だと思います。