廃村と巨木 ~匿名さんからの投稿です~
鈴鹿山脈の最北端、岐阜県と滋賀県に接する霊山(りょうぜん 1084m)は、名前からして、昔は信仰の山であったことが伺われますが、この霊山から滋賀県側に流れ出る芹川(せりかわ)の周辺には、今では廃村になった集落がいくつもあります。
芹川周辺といっても、川のそばではなく、尾根に向かってかなり登っていった山の中腹に点在しています。
なぜ、川のそばでなく、山の中腹に集落があるかというと、自動車というものがなく、徒歩で往来していた時代は、特に川沿に住む必要もなく、どこへ行くにも尾根伝いの道の方が近道であったからだと言われています。
今回は、廃村の中の一つ、滋賀県犬上郡多賀町にある、向之倉(むかいのくら)集落へ行ってみました。芹川沿いにある県道から1キロ余り尾根に向かって登って行った所にあります。
製炭業が中心であったようですが炭の需要が減少し、過疎化が進み、昭和40年代に廃村となったようです。
廃村になってから、かなりたつので、集落には、石垣とレンガのほかは何も残っていません。
人は消え、巨大なカツラの大木と小さな神社だけが残っていました。
かつて、このような厳しい環境の中に人が住んでいたとすると、その生活は大変であったであろうことが想像されますが、現在とは異なり、死後は少なくとも下層ではない世界に入り、安らぎを得たのではないでしょうか?
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