家族と時間 ~招きネコさんからの投稿です~
最近は、家族と共に、支部のブログに投稿したり、
閲覧したりしています。
そうしたところ、
今までテレビやビデオを見て、ぼ~~としていた時間が
自然と減ってきました。
誰もが同じにしか持っていない時間なのですから、
有効に使わねば勿体ないですよね。
色々な方の思いを知ることで、
自分もまた刺激されます。
ですが、
自分を律するのは、なかなか。
毎日、続ける確約まで至っておりませんが・・
たかがブログなのかもしれませんが、
うちの家族にとっては、
よい方向に修正されてよかったかなと思います。
ファックス先生③最後 ~うちわ 頑張って書きましたシリーズ~
ファックス先生とのやり取りを開始して半年ほどたったころ、佳代子の成績は、もう上から数えた方が早いくらいになっていました。
佳代子自身もう、すっかりファックス先生のことを信じて勉強を進めていくそんな子になっていました。
しかし、佳代子にはどうしても腑に落ちない点がありました。
(学校のテストは90点くらい取れるのに、なんでファックス先生の問題はいつも60点くらいなんだろう。ちょっぴり悔しい!なんとかファックス先生のテストも90点くらいとってみたい!)
人間なら普通に思うことだと思います。しかし、この時、佳代子は最も大切なことを忘れてしまっていたのです。
もっと正確に言うと、大事なことが見えなくなってしまっていたのです。
(そういえば、久美ちゃん。おんなじのやってたよね。ちょっと答え見せてもらっちゃおうかぁ)
佳代子は、次の日に久美子にファックス先生の話をした。
「別にいいけど、佳代・・・・ ううん。分かった。明日もってくるね。」
久美子は多くは語らなかったが、自分の思いが達成されることで頭がいっぱいの佳代子には答案がもらえるというだけで久美子の態度には何も気が付かなかった。
次の日、佳代子はもらった採点済みの解答用紙を元に問題を解いていった。当然、問題は簡単に解けた。
(よし、これで90点いや100点間違いなし!)
佳代子は少し興奮して解答用紙を送った・・・・・
【ジ、ジ、ジージジ】
「あっ!」
送った後、少し冷静になったのか佳代子はあること思い出したのだ。
「私、最初の約束 破っちゃた。」
思わず出た正直な気持ちだった。
『どんなに間違えても構いません。あなた自身怠けるときもあると思います。それでも、構いません。しかし、これだけは守ってください。あなたに的確なアドバイスをするため、必ず自分の力で解いて、自分の手で答案に解答を記入してください。
それでは、はじめましょう!』
点数が欲しくなってとても大切なことを忘れていた佳代子。
大きな罪悪感に襲われていた。
【ジ、ジ、ジージジ】
「100点」
ファックス先生から採点された解答用紙が送られてきた。
そして、その用紙にはいつもたくさん書いてあるはずのアドバイスがどこにも書いていなかった。
100点のはずなのに佳代子には全く達成感がなかった。あんなに手に入れたかったはずなのに全然嬉しくなかった。
佳代子は何か大きな喪失感に襲われた。
そして、
「ごめんなさい!」
こんなに心から後悔したことはなかったかも知れない。
【ジ、ジ、ジージジ】
佳代子のもとに、ファックスが送られてきた。
それは、さっき100点を取ったはずの問題用紙と白紙の解答用紙だった。
佳代子は、すぐに用紙を手に取って、足早に机に向かった。
ゆっくり一呼吸した。
そして佳代子は初心に帰って、自分のしたことを反省しながら自分の力で解答した。
さっきやったばかりなのに。
答えを知っているはずなのに。
問題を解いていくといつものように難しく頑張らないと解けない問題ばかりだった。
それでも、佳代子はいつも通り問題を解いていった。
「終わった・・」
問題を解いて佳代子はファックスを送った。
【ジ、ジ、ジージジ】
佳代子はファックスの前から動けずにいた。
【ジ、ジ、ジージジ】
先生から採点用紙が返ってきた。そこには・・・・・・
佳代子は、勉強以外のとても大切なことを学んだ気がした。
おしまい
ファックス先生② ~うちわ 頑張って書きましたシリーズ~
佳代子は問題の解答を始めた。問題は佳代子にとっては少し難しく感じるものが多かったが、さじを投げだすほど難しい物でもなかった。
解答がすべて終わり佳代子はファックスを使って解答用紙を送信した。
【ジ、ジ、ジージジ】
(こんなので、ほんとに勉強ができるようになるのかなぁ)
半信半疑の佳代子だったが、とりあえず問題を解き、ファックスを送った。
一仕事終えた達成感で気持ちは充足していた。
それから、少し時間が流れた・・・・
【ジ、ジ、ジージジ】
「な、なに!」
結構な早さで返答が返ってきたので佳代子は少しびっくりした。
送られてきたファックスは先ほどの解答の採点が行われた用紙だった。
そこにはファックスのくせに赤字でびっしりとアドバイスが書いてあった。
どこで、見ていたのか隣に母がいた。
「あら、もう採点してもらえたの、仕事のできる先生じゃない!」
「こんなに、びっしり書いてあるし佳代子いい先生に巡り合ったわね~。」
「これも、ひとえに私のおかげね!ホホホホホ!」
「・・・・は、はぁ」
たまに、母についていけなくなる佳代子であった。
気を取り直して、佳代子は帰ってきた解答用紙をじっくりと眺めた。
点数は・・・・56点
なんとも、微妙な点数だった。
(最初だからこんなもんかな)
ちょっと、ショックを受けていたがそれよりもびっしり書かれた赤文字の方が気になったのでそちらに目をむけた。
佳代子は食い入るようにアドバイスを読み進めていった。
「こつん!」と頭を叩かれたような衝撃が走った。それはまるで佳代子がどう考えて問題を解いたのか かたわらでみていたかのようなそんなアドバイスだった!
「なにこれ、やっぱりちょっと怖いんですけど・・・」
(でも、56点はちょっと悔しいな。ここに書いてあるように勉強してみようかな!そんなに難しくなさそうだし)
それから、佳代子は問題が送られてきては解答し、おくられてきたアドバイスを元に勉強する日々が数か月続いた。
いつも、点数は60点くらいのちょっと悔しい点数だったが、この微妙な点数も負けず嫌いの佳代子にはこの勉強を続ける一因になっていた。
そして、テストが近づいてきた。
「ファックス先生どんなテスト勉強の問題を送ってくるんだろう。」
【ジ、ジ、ジージジ】
佳代子はファックスを覗くとそこにはいつもの通り問題用紙と解答用紙がついていた。しかしその後にもう一枚見慣れない用紙が付いていた。
「なにこれ?」
佳代子は手慣れた手つきで用紙を取り出した。そこには・・・
【もうすぐ、テストですね。でも安心してください。あなたの今の実力なら十分対応できます。私からは特別なことはいたしません。今まで通り問題を解いてください。】
「先生、すごい自信だなぁ。まぁ、いいか。言われた通りやってみよう。」
佳代子は特に深く考えずにファックス先生の言うことに従うことにした。
ファックス先生と佳代子の間にはこの数か月の間で知らず知らずのうちに大きな信頼関係ができていた。
テストが終わり、結果が返ってきたころ、佳代子とファックス先生の信頼関係はもうゆるぎないものとなっていた。
しかし、そんな信頼関係を揺るがす大事件が起きるとはその時、佳代子は少しも思っていなかった・・・・・
つづく
どうなるにゃ!
気になるにゃ・・・・
パンダ大帝どうなるんすか!
い、いや・・・・わたしに聞かれても(´・ω・`)
ファックス先生① ~うちわ 頑張って書きましたシリーズ~
「ただいまー」
普段と何も変わらない家、普段と何も変わらない部屋、そして家族の声、佳代子はいつものとおり学校から家に帰ってきた。
しかし、その日はいつもと何か違っていた。
「何、これ?」
佳代子のなんとも言えない声に母が何事もなかったかのように答える。
「知らないの、ファックスよ。ファックス。」
「知っているけど・・」
佳代子はこれ以上聞くと、いつものようにとてつもなく母の話が長くなりそうなので、ここは普段と何も変わりなくあしらった。
しかし、母はそんな佳代子の気持ちを分かっていたのか突然、少し大きな声で佳代子に話しかけてきた。
「佳代、あのね、このファックスね、佳代のだよ!」
「は!?」
「ほら、佳代、塾行きたいって言ってたでしょ。だからこれ!」
「これすごいんだよ!勝手に問題送られてきて、解答送ったら、細かく添削してくれんだって、久美子ちゃんもやってるみたいよ。ほら、最近久美子ちゃん、めきめき成績よくなってるし。だから、久美子ちゃんのお母さんに聞いたの。そしたら、教えてくれて。でね、申し込んじゃった!そしたらスグきちゃって、最近は便利になったわね。そそ、それでね。その時たまたま、・・・・・・・・」
佳代子はもう母が何を言っているのか分からなかった。
「お母さん。」
「ん?」
「これ、塾じゃないよね」
「まぁ、細かいことは気にしないで。ネ!」
佳代子はあまり成績のよいほうではなかった。勉強のできる子がうらやましく感じていたのも事実で、母がそれにうすうす気づいていたのかもしれないと、佳代子は素直に思った。
「もう、できるの?これ」
「うん、線はつながってるよ。でも、やる前に必ず説明書を読んでくださいって書いてあったから、読んでみたら?はいこれ、説明書。」
「ふーん。」
母から説明書をもらった佳代子はその薄さにちょっとびっくりしながらも、その説明書を開いた。そしてそこには少し大きめな文字で一言
『どんなに間違えても構いません。あなた自身怠けるときもあると思います。それでも、構いません。しかし、これだけは守ってください。あなたに的確なアドバイスをするため、必ず自分の力で解いて、自分の手で答案に解答を記入してください。
それでは、はじめましょう!』
【ジ、ジ、ジージジ】
突然ファックスが受信して問題用紙と解答用紙が送られてきた。
「なに、これ 怖いんですけど・・・・」
「すごいサービスね。マイクでもついてるのかしら。」
母はファックスをギョギョロ見まわしていた、佳代子は気味悪かったが、母の気持ちが正直嬉しかったので、少しむずかゆい気持ちだった。
これが、佳代子とファックス先生との出会いでした。
あまりに暑いので雪です。